2016-06-28

皮膚病でお困りの飼主様へ ~シャンプー療法について~

脂漏症や再発性膿皮症、アレルギーやアトピーを含む難治性の皮膚疾患において、シャンプー療法(薬浴)は薬物療法(内服薬)と同時に行う必須の治療法と考えております。
自宅でのシャンプーが難しい飼主様におかれまして、当院の看護師が、その子の肌質に合うシャンプーを適宜選択しながら、丁寧にシャンプーさせていただきますので、受付にてお気軽にお問い合わせください。
(*完全予約で行っております)

シャンプーというと、美容目的で毛艶を良くするとか、汚れを落とすことをイメージされるかもしれませんが、薬用シャンプーの場合、対象は’毛’ではなく’皮膚’つまり地肌を清潔にすることが目的です。
シャンプーは、もともとヒンディー語で「マッサージする」という意味らしいですよ。

副作用が少なく、飼主様が見た目で実感できる効果が現れることが多いので、積極的にお勧めしております。お薬で内側から治し同時にシャンプーで外側から治すと治療効果がさらに上がります。

以下にシャンプーのコツを記載しますので、参考にして頂けると幸いです。

①水温は25℃~30℃で行う。
②シャンプーがいきわたるように毛の根元から皮膚まで濡らす。
③悪い所から洗い始める。
④カサブタ(痂皮)がついている場合は、時間をかけて優しく取り除く。
⑤ベタベタしている(脂漏が激しい)ところは二度洗いする。
⑥皮膚に溝ができているところ(苔癬化している)は溝のなかに塗りこむようにマッサージする。
⑦泡をつけたまま、10分間必ず放置。
⑧泡が残らないようにしっかりすすぐ。
⑨顔に水をかけられるのを嫌がる子がおおいので、よく吸水するスポンジを利用し、それを顔の上で絞りながらすすぎを行う。
⑩肢の間や肉球の間は強く洗わない。乾きにくいので吸水性の良いやわらかいタオルを押し当てて水分を取る。
⑪タオルドライ、ドライヤーは冷風で行う。温風を使うときはには必ず体から離して使用。
⑫シャンプー後、皮膚が乾燥しているようなら、保湿剤を使用する。

①” 人間のお風呂の感覚だと寒いのでは捉えられがちですが、プールの水温がだいたい25℃くらいです。
⑦” とても大事です。放置というか見守るというか…じっとできなければ、遊んだり散歩しても良いと思います。
⑪” 眼を乾燥させないでください。ドライヤー後の角膜炎に気をつけましょう。