2014-12-11

椎間板ヘルニアの話

除々に寒くなってきました。今年は例年より冷え込むみたいですね、、、
寒くなると椎間板ヘルニアという神経疾患が増える傾向にありますので、飼主様の参考になればと、当院における診断から治療までを簡単に説明します。

急にキャンと鳴いて痛がったり、後ろ足がフラフラしたり、麻痺して立てなくなったり、、、様々な症状がありますが、重症度に応じてグレードⅠ(軽症)からグレードⅤ(重症までに分けられます。

グレードⅠの痛みだけの場合や、グレードⅡの歩行が可能な場合は内科的治療で良くなる事がありますが、グレードⅢの歩行できない麻痺や除々に感覚がなくなり、グレードⅤの痛みを感じない場合は、外科的治療が必要になる事があります。

まずは血液検査レントゲン検査で他の病気の有無を調べたり、神経学的検査にて重症度の判定(グレード分類)を行います。手術が必要な場合は、さらなる正確な診断と手術部位を確定するため、MRI検査(もしくはCT検査)を行います。[MRI/CT検査のみ、当院でお預かり後、他施設に依頼します]

椎間板ヘルニアなどの神経疾患を疑う場合、飼主様が急に悲しい思いをなさらないよう「進行性脊髄軟化症」の話をさせていただきます。

確定診断ができれば、手術自体は難しいものではありません。
ただ、手術中に神経自体を目で見て確認するまでは、何とも言えないことがありますのでご了承ください。
当院において、手術後1週間から2週間程度入院させていただきますが、治りが早い場合は、翌日から起立が可能になることもあります。(まだ歩けませんが、4本足で踏ん張れるようになります[※胸腰椎ヘルニアに限る])

日頃気をつけていただきたいことは、足が滑りやすい飼育環境を避け、適度な運動で足腰を鍛えましょう。また、良質なフードで適正な体重を維持することに心掛けてください。